アットノンは顔のしわに効く?

アットノンで顔のしわが消える?

アットノン

 

小林製薬から販売されている「アットノン」で顔のしわが消えると言われていますが、本当に効果があるのでしょうか?

 

結論から言うと
「アットノンは顔に使うべきではない」

 

製品説明書にも「顔面にあるやけどのあと・傷あと、かさぶたには使用しないこと」と書かれている通り、アットノンは顔への使用を勧めていません。

 

顔以外のシワが気になるようであれば使ってみるのもいいかもしれません。

 

アットノン

 

・・・とは言っても、市販薬でシワが消えるなら、顔にも使ってみたいのが本音。

 

では、もし顔に使ったとしたら、シワが消えるのでしょうか?

 

まずは、アットノンの本来の効能である傷あとが消える仕組みについて調べていきましょう。

アットノンで傷あとが消える仕組み

傷あとはなぜ残る?

 

1、ケガをすると出血します。ここに血小板が集まって固まり、血が止まります。
2、白血球の1種であるマクロファージが傷ついた組織や細菌を捕食して取り除きます。
3、線維芽細胞がコラーゲン(膠原線維)を産出し肉芽組織が傷を塞ぎます。
4、肉芽組織が瘢痕(はんこん)組織へと変化します。最初の数ヶ月は赤かった傷あとが半年から1年ほど経つと成熟瘢痕となり白い傷あとになります。コラーゲンが異常に産生されると、傷口が赤く盛り上がったり(肥厚性瘢痕)、体質などによって元の傷よりも大きくなるケロイドとなって傷あとが残ってしまいます。

 

 

アットノンで傷あとが消えるのはなぜ?

 

アットノン

 

傷ついた部分は、皮膚が断裂し血管なども傷ついていているため、正常な皮膚よりも機能的に劣ってしまいます。肌表面に新しくできた表皮も薄くて弱く、外的刺激に弱い状態となっています。瘢痕組織は、本来の組織の代わりとして置き換わっただけで、正常な細胞に置き換わるには数年かかると言われています。

 

アットノンに配合された有効成分「ヘパリン類似物質」は、保湿作用によって角層に水分を蓄えさせて肌細胞の生まれ変わりを促します。
また、血行促進作用で血流の循環を促し、抗炎症作用で皮膚の炎症を鎮めて、正常化機能を回復させます。

 

 

瘢痕組織が正常な肌組織に生まれ変わる新陳代謝を促進し、新しくキレイな皮膚の再生を促してくれるのがアットノンなんですね。

ヘパリン類似物質とは

ヘパリン類似物質は、皮膚科でも処方される保湿剤のひとつです。「保湿効果」「血行促進効果」「抗炎症効果」の3つの働きがあります。
角層に水分を保ち、乾燥や外的刺激から皮膚を守る働きとともに、血流を促進し、血液が固まるのを阻止することで、乾燥肌や肥厚性瘢痕の治療に使われます。

 

正常な肌細胞は、角層に水分が十分に蓄えられ皮脂が水分の蒸発を防いでいますが、角層が乱れてしまうと、水分を蓄えることができなくなり、ガサガサした乾燥した状態になります。

 

ヘパリン類似物質の保湿効果が水分を蓄えて乱れた角層を整え、血行促進効果で新しい肌細胞の生まれ変わりを促します。
重大な副作用も起きにくく、赤ちゃんの保湿剤としても使われる成分です。

 

ただし、血液凝固抑制作用があるため、出血している傷に使うと血が固まりにくくなり傷の治りが遅くなってしまうので、傷口がふさがっていなかったり、血がにじんでいる状態の場合には使うことはできません。

 

ヘパリン類似物質を配合した処方薬として、ヒルドイドがよく知られていますが、ヒルドイドとアットノンは添加物が異なっています。

アットノンのアンチエイジング効果

アットノンはシワを消す薬ではありません。大人ニキビを治す効果もシミを消す効果もたるみをリフトアップする効果もありません。

 

ただし、水分保持能が低下した年齢肌でも水分量をアップさせる働きがあるため、ごわついた肌に柔軟性を取り戻す効果が期待できます。

 

水分を与えることで消えるシワは「小じわ(ちりめんじわ)」のみ。小じわは、見た目にはほとんどわからない程度の浅いシワで、風呂上がりなどの潤った状態で消えてしまうシワです。

 

アットノンでほうれい線が消えるという噂もありますが、たるみの原因はコラーゲンやエラスチンの減少・変性。アットノンにたるみを引き上げる効果はほとんどないと思われます。

 

アットノンの保湿作用・血行促進作用・抗炎症作用で、将来的なシワやたるみ・シミなどの肌老化を「予防」する効果は期待できるかもしれませんが、今あるシワを取る作用はありません。

 

アットノン

 

そもそも、アットノンは顔への使用を勧めていませんし、第二類医薬品(副作用等によって、日常生活に支障をきたすほどの健康被害が生じるおそれがある医薬品)です。また、目の周囲への使用は症状の悪化や副作用の可能性が高くるので、目元のシワに使うのはとても危険です。

 

当サイトでは、アットノンをシワの予防やエイジングケアに使うことは勧めません。もしも顔に使ってみたらどうなるか?という仮定の話でした。