線維芽細胞を活性化させるエイジングケア

線維芽細胞

 

線維芽細胞は、真皮の中に存在している細胞の1つでコラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンを作り出す働きをしています。ニュースでもよく聞く「再生医療」の基本となる細胞で、肌ダメージを検知することで失われた細胞の代わりとなってコラーゲンやエラスチンなどの細胞を作り出します。ノーベル賞を受賞された山中伸弥教授のグループが最初に作ったiPS細胞は、マウスの線維芽細胞から作られたのですから、無限の万能性があるんですね。

 

真皮にあるコラーゲンやエラスチンなどの繊維は網目状に張り巡らされて肌のハリや弾力を保ち、ヒアルロン酸がスポンジのように真皮の水分を保ちます。
その真皮にある線維芽細胞は通常とくに大きな働きをするわけでもないのですが、皮膚が傷ついたときに活発に分裂し、細胞間脂質の合成を促進して真皮成分を生み出し、皮膚を元の状態に戻していきます。

 

その線維芽細胞、20歳をピークに減少、活力も徐々に低下してしまい、30歳で急降下、40歳には20歳時の30〜40%程度まで減少してしまいます。線維芽細胞が減少すると、コラーゲンやエラスチンを作り出す力が低下してしまい、ヒアルロン酸が減少して水分が失われ、新陳代謝が停滞し肌老化が目立ってきます。

 

しかし、化粧品に配合されるヒアルロン酸やコラーゲンは真皮に届くことはなく、肌表面の表皮の水分を保つ働きがあるだけで、真皮のヒアルロン酸やコラーゲンの代わりになることはできません
真皮のコラーゲンやエラスチンを増やすには、それらを作り出すもととなる線維芽細胞を増やすことで、新陳代謝が活発化、肌は若々しさを取り戻すことができます。

 

アンチエイジング対策では、真皮の線維芽細胞を活性化させることが重要になってくるのです。

線維芽細胞増殖因子(FGF)とは

線維芽細胞増殖因子(FGF)とは、その名の通り線維芽細胞を活発にしてコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を増やす働きをするタンパク質の一種です。

 

線維芽細胞が活発に働くことで 、真皮のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸は産生され、肌のハリや弾力を支え、若々しさを保つことができます。
しかし、紫外線の影響や老化によって線維芽細胞が減少したり働きが弱まってしまうと、お肌はハリを失いシワが目立つようになってきます。
「線維芽細胞増殖因子(FGF)」を与えることで、線維芽細胞が再生され細胞の生産性がアップし、肌本来の若々しさを取り戻すことができます。

 

FGFには23種類あり、FGF-1からFGF-23まで存在します。それぞれ役割が異なり、FGF-1(ヒトオリゴペプチド-13)はスキンケアに、FGF-7(ヒトオリゴペプチド-5)は頭皮ケアに使われています。

 

美容整形ではFGFを気になる箇所に直接注入する肌再生治療が行われています。シワやほうれい線などの治療のために行われ、コラーゲン合成が高まり、ふっくらとさせることができます。しかし、FGF注入による失敗例も報告されており、注入した部位が盛り上がってしこりとなってしまったり、人によっては半年程度しか効果が持続しないこともあります。

コラーゲンを増やすには

コラーゲン配合の化粧品を使えば、肌のコラーゲンが増えてお肌はプルプルになるのでしょうか?

 

残念ながら答えはNO。
化粧品に配合されたコラーゲンは分子が大きく、真皮まで届くことはありません

 

ではなぜ、化粧品にコラーゲンが配合されているのでしょうか。
コラーゲンは水分を抱え込んでうるおいを保つ性質があります。肌表面にコラーゲンの膜を作ることで、水分の蒸発を防ぎ肌のうるおいを保ってくれます。
肌表面がうるおいに満ちていれば、紫外線や外的刺激から肌をガードすることができるので、肌老化を予防する働きが期待できます。

 

では、真皮を支えるコラーゲンそのものを増やすにはどうしたらいいのでしょうか。

 

食べ物でコラーゲンを増やす

コラーゲンたっぷりの食べ物を食べても、自分の肌のコラーゲンになるわけではありません。しかし、コラーゲンの材料となるアミノ酸を摂ることで、コラーゲンの生成を促進することが出来ます。

 

ピーリングでコラーゲンを増やす

加齢とともに遅くなるターンオーバー。20歳で約28日だった周期は40代で約40日周期になると言われています。ピーリングで余分な角質を除去することで、新しい皮膚が再生され、真皮のコラーゲンを増やすことが出来ます。

 

十分な睡眠と適度な運動

夜はお肌を作るゴールデンタイム。成長ホルモンが分泌されてコラーゲンの生成も促進される時間です。夜の10時から2時が最もお肌に大切な時間です。10時にベッドに入るのは難しいでしょうが、せめて12時前には眠りにつきたいですね。
適度な運動も新陳代謝を活発にします。血流が良くなることで代謝がアップし、肌の再生も促進されます。

 

糖化を避ける

糖分の私たちの大切なエネルギー源ですが、糖分を摂りすぎてしまうと、タンパク質と結びつき「糖化」が進行してしまいます。糖化によって生成される有害物質「AGEs」が真皮に蓄積し、線維芽細胞の機能を低下させ、コラーゲンを硬くしてしまいます。
糖質の摂りすぎは生活習慣病だけでなく肌老化も進行させてしまいます。

 

線維芽細胞を活性化させる化粧品を使う
  • FGF
  • 線維芽細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチンを増やします。

  • プラセンタ
  • 線維芽細胞を活性化し、コラーゲンの濃度を増加、分解する酵素の生産量を減少させます。

  • レチノール(ビタミンA)
  • 線維芽細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチンを増やします。

  • ビタミンC
  • ソフトピーリング効果で線維芽細胞を活性化し、コラーゲンの合成をサポートします。